2008年07月06日

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影、宇宙に広がるナゾの帯

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 左の画像はNASAのハッブル宇宙望遠鏡が「かに星雲」で見つけたナゾの帯状のものの映像。
 ハッブル宇宙望遠用の管理運営を行っている米ジョンホプキンス大学では、この不思議な映像を宇宙に広がる「Stars and a Stripe(星条旗)」と命名して説明を行っている。
 もっとも、星条旗を意味する英語は「Stars and Stripes」であり、帯が1本だけだと星条旗にはならないのだが…
 それはともかく、この不思議な映像はいったいどういうものなのだろうか?
 ジョンホプキンス大学のウィリアム・ブレア教授によると、この不思議な映像は今から約1000年前に「かに星雲」で起きた超新星爆発の名残り「SN1006」を撮影したもので、「SN1006」からガスが帯状に吹き出していることからこのような変わった光景が見られるものとなったと、説明している。
 右の画像はこの「SN1006」の全体を撮影したものとなる。右上の水色の四角で囲った部分が左の映像部分となる。
この映像を見れば、この帯がどういった形でできているものかが、判るだろう。
 「かに星雲」で起きたこの超新星爆発、実は西暦1054年に起ったもので、有史以来観測された超新星の爆発現象としてはもっとも明るく光り輝いたものだと見られており、その詳細は超新星爆発が起きてから50年以上が経過した鎌倉時代になってから藤原定家(1162-1241)が「明月記」という日記にその時の模様を書き残したことでも有名だ。
 藤原定家は「明月記」で「寛弘三年四月二日、騎官の方角に大変明るい客星が現れた」と残している。
 この超新星爆発と藤原定家が日記を書くまでには50年以上の歳月が経過しており、藤原定家自身が、この現象を目撃した訳ではなく、伝聞によるものを日記に残したと見られているが、現象から50年を経過してもまだ尚、伝聞として語り継がれていたことに、この現象がいかに激しかったものか、想像することができるかもしれない。


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