2008年06月07日

米空軍のB-2ステルス爆撃機墜落事故、事故原因は湿気と特定

米空軍のB-2ステルス爆撃機墜落事故、事故原因は湿気と特定
 2月23日、グアム島のアンダーセン空軍基地で離陸に失敗して墜落した米空軍のB-2ステルス爆撃機の事故原因の調査を行ってきた事故調査委員会は6日までに、湿気を帯びた空気がB-2爆撃機の航行管制機器に影響を及ぼしたことが、離陸時の進路に影響を与え、墜落に至ったとする事故原因報告を発表した。
 事故調査委員会によると墜落したB-2爆撃機は機体内部のフライバイワイヤーのエアデータセンサーの周りの空気が想定以上の湿気を帯びていたことが、航行管制装置に影響を与え、航行管制装置は実際の飛行速度よりも10~12ノット早い速度で、離陸後のロールアンドローリングを行っているものと判断。
 飛行速度を誤認識した航行管制装置はロールアンドローリング中に超過速度と認識した分の減速を指示。しかし、実際には規定の速度で飛行していたため、この航行管制装置の誤った指示により機体は失速。墜落に至ったとしている。
 航行管制装置の指示によりロールアンドローリング中に機体が減速し始めたことを気づいたパイロットはマニュアル操作によりエンジンスピードを上げようとしたが、減速が航行管制装置による自動操作で行われていたため、マニュアルでの復元はできず、結局、機体の復元に失敗したパイロットは緊急脱出装置を使って機体から脱出。危機一髪で難を逃れた。
 事故調査委員会ではクルーの機体操作には問題はなかったことを確認したとも述べている。
 B-2爆撃機のメインテナンスマニュアルでは機体内部のエアデータセンサーの周りの空気が湿気を帯びている場合にはパイロットチューブの周りを熱して湿気を飛ばすように指示がされていたが、B-2爆撃機の保守整備班の間ではこのワークアラウンドは一般的に認識されていなかったことも同時に確認したとしている。
 墜落したB-2爆撃機の場合に関してもパイロットチューブの周りを熱して湿気を飛ばす保守操作は実施されていなかった。


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