最後の6.8トン爆弾「デイジーカッター」、ユタ州で爆発処分

mar-kun

2008年07月23日 22:27

 





 米空軍は21日、米国が保有する最後の15000ポンド(6.8トン)爆弾「BLU-82(通称、デイジーカッター)」を15日、ユタ州の実験場でMC-130輸送機からパラシュート投下して、爆発処理したことを発表した。
 左の画像は最後のデイジーカッターが爆発した瞬間の模様。
 この、デイジーカッターは投下ポイントの周囲100~300メートルを完全になぎ払うことが可能な通常型兵器としては最大級の破壊力を持つ爆弾の一つ。元々はベトナム戦争の際にジャングルを焼き払って即席のヘリポートを作るために開発が進められたものとなる。
 その後も米軍は湾岸戦争などの際に地雷原除去などのために何度かこの爆弾の投下を行ったことがあったが、対人兵器として用いることはしてこなかった。
しかし、2001年に勃発したアフガニスタン戦争では山岳地帯の洞穴深くに隠れるゲリラ掃討のために米軍は初めて対人殺傷兵器として利用。その破壊力の凄まじさからアフガンゲリラの間では米軍が核兵器を使用したといった噂が流れるなど、心理的にも甚大な影響を与えた。
 米軍ではBLU-82を廃棄した理由に関しては詳細を明らかにしていないが、BLU-82後継の新型デイジーカッターとして22600ポンド(約9.5トン)の重量をもつMOAB(Massive Ordnance Air Blast bomb=大規模爆風爆弾兵器)の開発作業が完了し、BLU-82以上の破壊力を持つMOABの実戦配備がほぼ完了したことが、旧型爆弾の完全処分につながったものと見られている。

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