銀河系の渦の数は2本、NASAの宇宙望遠鏡で明らかに

mar-kun

2008年06月05日 21:41


 銀河系の渦はこれまで4本の状腕(主腕)で構成されてきたと考えられてきたが、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡を用いた観測により、主腕の数は実際には2本しかないという調査結果が3日、NASAの発表により明らかとなった。
 他の星雲の場合、渦の数は普通の天体望遠鏡を使えば比較的簡単に判るが、地球は銀河系の中に位置するため、渦の全貌に関してはこれまで諸説入り混じり、はっきりとはしてこなかった。
 今回、NASAのジェット推進研究所は最新の技術を投じて2003年8月に打ち上げられたスピッツァー宇宙望遠鏡を用いて銀河系の構造に関して、詳細な観測を行った結果、銀河系の渦の状腕は「スクタム-センタウルス腕(Scutum-Centaurus)」と「ペルセウス腕(Perseus)」の2本の主腕で構成されており、この2つと共に主腕を構成すると考えられてきた「ノルマ腕(Norma)」と「サジタリウ腕(Sagittarius)」は主腕ではないことが判ったとしている。
 NASAではスピッツァー宇宙望遠鏡による観測結果から、「スクタム-センタウルス腕」と「ペルセウス腕」の2本の主腕の場合は新しい星や古い星が入り混じりながら星の密度が高い状態となっていること、「ノルマ腕」と「サジタリウス腕」の従腕の場合はガスや星を形成するための状態(pockets of star-forming activity)で満ちていると分析している。

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