国際宇宙ステーションで問題が発生、唯一のトイレが故障
国際宇宙ステーション(ISS)のロシアモジュールに設置されている只一つしかないトイレが故障し、利用できない状況に陥ったことが27日までに明らかとなった。
NASAによると、今月21日、ISSの乗員がトイレを利用した際に、トイレの排泄物吸引用機構の一部が故障を起こしたと説明している。無重力空間の場合、物質は自然落下することがないため、ISSのトイレには排泄物を強制吸引し、内部で空気と水分を分離するための機能が備えられている。今回、故障を起こしたのはこのエア・ウォーター・セパレーター(air/water separator)と呼ばれる機構部分。
故障が起きた直後から、トイレのエアフィルターを交換するなどの修理作業を実施したが、その後も機能回復には至っておらず、乗員はISSにドッキングしているソユーズ宇宙船の簡易トイレで用を足すことを迫られるなど非常に不便な状況を強いられている。
NASAでは、5月31日打ち上げ予定で現在、準備を進めているスペースシャトル「ディスカバリー(STS-124)」に急遽、地上訓練用に利用している宇宙用トイレを積み込むことも検討しているが、スペースシャトルはペイロードの重量バランスなどが厳密に調整された上で、打ち上げが実施されるということもあり、トイレの故障問題にどう対処すれば良いのか、対応に苦慮している。
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