スペースシャトル・コロンビアの実験、5年ぶりに研究成果が発表
2003年年2月1日に空中分解したスペースシャトル「コロンビア」が宇宙空間で実施した「キセノンの臨界粘性に関する実験(Critical Viscosity of Xenon)」の結果をまとめた論文が、事故から実に5年ぶりに米学術専門誌「Physical Review E(Volume 77, Number 4)」に掲載される運びとなった。
「キセノンの臨界粘性に関する実験」はスペースシャトル「コロンビア」ミッションで順調に行われたものの、「コロンビア」が大気圏再突入の際に空中崩壊を起こしてしまったために実験データは喪失してしまっていた。
実験を主導したNASAのジョンソン宇宙センターは、米テキサス州の上空で空中分解した「コロンビア」の残骸のなかから、この実験データが収められていた400GBの容量のシーゲート・テクノロジー製ハードディスク(画像)を発見。そのハードディスクを改めてデータ修復専門業者「KROLL ONTRACK」社に送ることによって、ハードディスクに記録されていた約90%のデータの復元に成功し、最終的に実に5年もの歳月をかけて実験成果をまとめた論文を完成することに成功した。
当初の予定通り「コロンビア」が問題なく着陸していれば、実験データの解析は数ヶ月で終了していたはずのものとなる。
関連記事