2008年05月17日

EADSアストリウム社、ATVの有人宇宙船への改造案を公表

EADSアストリウム社、ATVの有人宇宙船への改造案を公表
 欧州航空宇宙最大手のEADS社の宇宙関連子会社となるEADSアストリウム(Astrium)社は13日、ドイツのベルリンで同社が中心となって開発を行った欧州宇宙機関(ESA)の無人宇宙輸送船「ATV」の有人宇宙船への改造案を公表した。
 今回、アストリウム社が公表したATVの有人宇宙船への改造案は、(1)ATVに大気圏再突入用の耐熱シールドを追加し、物資の帰還用に利用可能とした「A Large Cargo Return Spacecraft」、(2)(1)の変更に加えてATVの与圧キャビンに改良を加えて国際宇宙ステーションの緊急時に人員の帰還用に用いることを可能とした「A Crew Transport Vehicle」の2つ。
 アストリウム社は大気圏再突入に関しては1998年に「Atmospheric Re-entry Demonstrator(ARD)」を使った実験で成功しており、(1)の変更は比較的容易だと説明している。(2)の有人宇宙船への改造は有人宇宙船打ち上げの実績がないため、当初は物資の地上への帰還用に用い、実績を積み安全性を確認した上で最初は人員の帰還用に用い、最終的には打ち上げ時にも人員を乗せた有人宇宙船への転用を計画するとしている。
 このATVの有人宇宙船への改造案の詳細は今月、開催予定のベルリン航空ショーで一般公開される予定だ。
 米国のスペースシャトルは2010年の打ち上げを最後に引退することが予定されており、欧州が本格的な有人宇宙船を保有した場合、宇宙開発の分野でのこれまでの米国のリードを覆す可能性もでてくることとなる。


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